まさか自分が熱中症で動けなくなって、沢山の人に助けられるとは思ってませんでした。
私の過信から起きた出来事。戒めの為に書いておきます。
↓の続きです。
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花の百名山 秋田駒ケ岳 八合目駐車場~
今年も秋田駒ケ岳に行ってきました。 どうしても、ムーミン谷のチングルマの群生が見たかったのです。 昨年の同時期に登った時は、すでにチングルマは実になってました。チングルマの実はフワフワしてて、これはこ ...
秋田駒ケ岳、何度も来ている山。今回登りに使った秋田側の八合目からのルートも下山に使用した岩手側の国見温泉へのルートも登った事があり道を知っていた。
仕事終わりから、車で秋田に向かい八合目駐車場に着いたのは夜中の1時半ごろ、起床は3時半くらいだったかな?(普段の私は23時頃就寝、6時起床)
登山開始は5時40分頃。いつもより暖かく寒くて目が覚めるという事はなかったので朝から気温が高めだったのだろう。
朝食は塩バターロール1個。
八合目駐車場から男女岳→男岳→ムーミン谷と来て大焼砂の登りで手が痺れ、足が攣り、目まいと吐き気で立っていられなくなりました。
ここまでの行動食は、チョコ1~2個、フルーツいっぱいゼリー1個。
水分は、1リットルのポカリスエット3分の1くらい、カップコーヒー1本
普段は行かない、男岳の山頂まで行った時点で失敗でしたね。
ムーミン谷から見上げる横岳までの登りを見つめて登れるかな?なんてぼんやり考えてた。
この時は、まさか動けなくなるとは思ってなかったけど…
青い線が、私の辿った道。緑の丸印辺りで動けなくなりました。
起こるべくして起こった失敗
だと思いました。
- 仕事後の運転疲れと寝不足だったこと
- 朝食や行動食、汗かきのくせに水分をきちんととらなかったこと
- この日はかなりの暑さだったこと
- 1~3を考えれば男女岳・男岳へ行くべきではなかった
- 熱中症予防タブレットを持って行ったにも拘らず、車に置いて行ってしまった。
ムーミン谷を過ぎて、大焼砂に入った所で休憩をして水分補給をし登り始めたけどキツイ。
ムーミン谷で話をしたおじさんが、そんな私を見てカロリーメイトをやけに勧めてくれたけど、食べると吐きそうだったので気持ちだけ頂いた。
2~3歩歩いては止まり、そのうち手が痺れてきたし足も攣ってしまった。足が攣る事はよくあることなので薬を飲めば大丈夫だろうと思ってたけど、いつもと様子が違う手足がしびれて目まいと吐き気がして動けない。その場で寝込んでしまった。
敷物も敷かず、登山道で寝ていると、体が動かなくて下山できるのか?どうしよう?こんな時ソロだと不安と心細さで余計な事ばかり考えてしまう。
でも沢山の登山者がいたので助かった。いざとなれば助けを求めればいい。
横になっても、痺れや足の攣りは良くならなかった。手がしびれているから薬を飲むのも一苦労だったけど、何とか常備薬を飲みたいぶ痺れが落ち着いてきた。
「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれる人もいたけど、とりあえず休んでいれば大丈夫だと思ったので「大丈夫です。」と答え横になっていた。
しばらく横になっていたかな?まだ全然立ち上がれる気がしなかった。そんな中、今回大変お世話になったKさんが「大丈夫ですか?」と声を掛けてくれ状況を説明すると「救助呼びますか?」と言ってくれたけど、意識はあるので大丈夫です。もう少し休んでいれば大丈夫です。と答え休んでいると、心配なのかKさんはずっとついていてくれた。
申し訳ないので、起き上がろうとすると吐き気がして大分吐いてしまった。吐いたおかげで少しは良くなったので登ろうと歩きだそうとすると、Kさんは私のザックを持ってくれ自分のストックまで貸してくれ付き添ってくれた。心強かった。
でも、やはり登りはこの体調ではきつく、少し登っただけでまた倒れ込んでしまった。また横になって休んでいると沢山の人が心配してくれ、凍らせたペットボトルを下さったり、日に当たらないよう服を被せてくれ靴を脱がせてくれたり、足が攣っていると言えば、鎮痛消炎スプレーをかけてくれたり、本当にいろいろ助けてもらいました。
そのおかげか、しばらく休み起き上がろうとした所、また大量に吐いてしまったけど大分良くなったので下山する事に。
私は秋田側の八合目駐車場に車を置いてきたのだけど、秋田側にはこの体調では登り返して下山できない状況だったのと、岩手側の国見温泉へ降りた方が楽だと判断し側についていてくれたKさん、Aさんに国見に降りる事を告げると2人とも付き添って降りてくれると言う。
Kさんは、国見温泉から登って来た途中で私を見つけまだ登っていないのに私のザックを持って一緒に下山してくれた。しかも立ち止まる度に飲み物を渡してくれて、自分の水まで私にくれて。もうなにからなにまで私に気を使わせないよう優しい人でした。
Aさんのてきぱきと熱中症の的確な対応をしてくれたおかげで、歩けるようになった。
感謝してもしきれないほどの対応をしてくれたのに、私はお二人にお礼を言う事しかできなくて申し訳なかったです。
私、財布を車の中に入れたままでお金はトイレ用の小銭をポケットに入れていただけだった。
国見温泉に降りて、タクシーを呼んで貰い事情を説明して駐車場から降りて来るまで支払いは待ってもらおうと考えてた。
岩手から秋田までの距離を考えると料金も相当掛かるだろうけど、また倒れて救助を呼ばれるよりましだと思った。
でもね。Kさん汗臭くて汚い(地べたに寝てた)私を自分の車でアルパこまくさまで送ってくれたんですよ。
あまりの優しさに、世の中にこんなに優しい人がいるのかと思いましたもんね。
財布を持ってきていないので、お礼を渡す事も出来ず、名前と住所を聞いてお礼を送りたいと告げても名字しか教えてくれず…
Kさんは、キャップは自分が外して持ってるよと言っていたけど、借りたKさんのストックのゴムキャップを私なくしてしまったのにな。どこまで優しいんだろう。
自力下山できたのはKさん、Aさんはじめ沢山の人の助けがあったからだと思ってます。本当にありがとうございました。
そして、アルパこまくさに着いて八合目までのバスのチケットを購入しようにもお金を持っていず、事情を説明し後でお金を払う事を快く了承してくれたおじさん。
15時過ぎて、八合目に向かうバスに乗る客は私だけ。これから山に登るのかと心配してくれたバスの運転手さん。
皆さん優しくて、沢山の優しさに触れた登山でした。
自分の過信から起きた出来事。もっと注意して居れば沢山の人に迷惑をかける事もなかったのにね。
ソロなんだから、人一倍気をつけなければいけない事。
どうか皆さんも過信せず、いつ何が起きるかわからない事を念頭に入れ気をつけましょうね。(って、お前が言うなと言われそうですが)
今回の事で、よくわかった熱中症。症状や処置、対策など後で記事にしたいと思います。